私としてはネイティブの発音は聞き取りにくいためできれば授業を受けたくない気持ちもあったのですが、同僚が言うにはそもそもこれから担当しなければいけない取引先は言ってみれば全員がネイティブです。
訛を含めて慣れておいたがほうがいいとのことで、そう言われてみればまったくそのとおりと納得せざるを得ません。
同僚だって今更英会話など習いたくないのは確かで、できれば担当を外してほしいと私達は愚痴を言い合いました。
しかし残念なことに他に担当できるような社員はおらず、私達がやるしかありません。
上手に案件を取りまとめることができれば、会社にとっても大きな取引になるでしょう。
その英会話教室にはいくつかのレベルが設けられていましたが、私達が入ったのは初級レベルでした。
まずは基礎となる中学レベルの英語からやり直して、次のレベルへのステップアップを目指そうという作戦です。
ところがこの教室の講師がなかなかの話上手で、私は予想以上に楽しい授業を受けることができました。
ネイティブのアメリカ人の先生でしたが、威圧感なく授業を進めながら発音の違いなどを上手に指摘し、時には冗談を交えながら授業を進めてくれます。
ネイティブの発音が聞き取りにくいのは相変わらずで苦労させられましたが、真剣に授業をしてくれる先生が何を言っているのか耳を傾けるのは決して悪い体験ではありませんでした。
同僚も同じだったようで、いつしか私達は英語の勉強に夢中になり、仕事が終わったあとは楽しく教室に通うようになっていたのです。
楽しい先生に巡り会えたことで、初級のレベルは予想以上にスピーディーに卒業することができました。
そもそも仕事のために通っているのですから、もちろん次のレベルに進みます。